クローズドシステムとオープンシステム
これまでの中央監視装置では、特定のメーカーによってすべての制御システムを構築する「クローズドシステム」が主流でした。大手電機メーカーがシステム部分を担当することも多いため、信頼性が高い一方で、他メーカーの機器との互換性に乏しく、設備ごとのメンテナンスが困難だったり多額の費用がかかったりするといったデメリットがありました。
こうしたデメリットを解消するため、クローズドシステムに代わる形で近年スタンダードになりつつあるのが、「オープンシステム」です。新日本計装株式会社では、このオープンシステムを採用し、低価格で高機能な中央監視装置の構築をサポートしています。
クローズドシステムとオープンシステムの違い
クローズドシステムとは、全設備を同一メーカーのもので構築するシステムのこと。一方、オープンシステムは、機能に合わせてさまざまなメーカーから設備を選んで構築するシステムのことを言います。この2つに具体的にどのような違いがあるのか、特徴を比較してみましょう。
コスト面について
クローズドシステム | ■専用のパーツや機器を使っている事によって、オープンシステムに比べるとコストが割高になる |
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オープンシステム | ■汎用性の高いパーツを使用することにより、コストを最小限に抑えることが出来る |
将来性/拡張性について
メリット | デメリット | |
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クローズドシステム | ■大手メーカーであることが多く、信頼性が高い | ■拡張の際の部品などを他社製品ではまかなえない ■部品廃番の可能性がある |
オープンシステム | ■汎用性が高いため、部品やソフトウェアなど、他社の製品も流用可能 ■仕様の異なるシステムでも統合可能なので設備の増設が容易 ■機能選択の自由度が高い |
■既存クローズドシステムと接続が困難 |
メンテナンス
メリット | デメリット | |
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クローズドシステム | ■代理店、特約店などが充実しており、サポートが丁寧 | ■機器や部品に不具合が出た際に、他社製品との互換性がないため、費用増大や修理工期拡大のリスクがある ■CPUやOSなどに汎用性がなく、将来的な更新が困難 |
オープンシステム | ■CPUやOSに汎用性があるため、将来的にサーバーやシステムの更新が可能 ■上位のデバイスから下位のデバイスまで、メーカーを限定する必要がなく自由に選択可能 |
■メーカーごとのメンテナンスとなり個別のメンテナンスが面倒なことがある |
クローズドシステムのメリットとして、メーカーの信頼感やサポートの丁寧さが挙げられますが、一方で、汎用性の低さから個別設備の選択肢が少ない、システムの更新や不良箇所の修理などに費用や時間がかかってしまうなどのデメリットもありました。
しかし、オープンシステムなら、そういった問題も解消可能。汎用性が高く、さまざまなものから設備を選択でき、メンテナンス時も各メーカー品を流用できるため、低コストかつ迅速に対応可能です。サポートに関しても、システム全体を当社がトータルで管理しますのでまったく問題ありません。
当社採用のシステム「BAC-net」
「BAC-net」は、当社が採用しているオープンシステムのシステム構築用インターフェースです。従来のシステムでは、各設備の制御を統合するために、すべて同じメーカー製品によって構築するのが一般的でした。しかし、この「BAC-net」を使うことで、異なるメーカーの各設備を統合することができ、1台のワークステーションPCですべての制御が実行可能になります。これにより、システム構築における柔軟性・利便性が大幅に向上しました。
従来の中央監視装置では、空調をポイントごとに個別に監視できる「ビル用マルチエアコン」の制御には、別系統のシステムを用いなければなりませんでした。しかし、当社がご提供しているオープンシステムの中央監視装置なら、ビル用マルチエアコンの制御システムも統合可能。一元化することで、より効率的な監視・制御を行うことができます。